デッサウ・バウハウス校舎を訪問した際、テルテン団地大衆住宅も見学した。2階建てのシンプルな外観、1階2階に左右いっぱいの窓があり、窓のデザインにバウハウスのイメージを感じた。
建物は2階建てに半地下のスキップフロアーがある3層構造になっていた。室内は大衆住宅として最低限の間数とスキップフロアーで生活に変化を生む配慮があり、狭い部屋を少しでも楽しむための家づくりを感じた。
テルテンの団地を見学し、驚いたのが各邸に奥行50mの庭があることだった。家は小さいけれど庭は木を植えたり、子供の遊び場になったりと十分な広さがあった。大衆住宅でありながら、広い庭があるのは予想外だった。
テルテン団地の建物は工場でつくり、現場で建てる工業化を実現しており、当時としては画期的な設計であったと思う。大衆のための工業化住宅として提案された。
グロピウスが第一次世界大戦後の住宅不足の解決策として、大衆のための住宅として考えた。建築費を抑えるために工程表まで作り、手作業と機械作業が互いにかみ合うように綿密に手順を示した。
テルテン団地の家具はバウハウスの工房で調達した。
城井廣邦(日本バウハウス協会専務理事)